果物や生野菜を食べた後、数分後に唇、舌、口の中やのどにかゆみやしびれ、むくみなどが現れることがあります。これを口腔アレルギー症候群といいます。時には、アナフィラキシー(重篤な全身のアレルギー反応)を起こすことがあります。口腔アレルギー症候群は、果物や生野菜に含まれるアレルゲンが、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応です。
生野菜や果物のアレルゲンは花粉のアレルゲンと似ているので、花粉症のかたが、生野菜や果物を食べた時に口腔アレルギー症候群(花粉-食物アレルギー症候群)を発症することがあります。
飛散時期 | 花粉 | 果物の一例 | |
春 | 1~6月 | ハンノキ シラカバ | リンゴ、桃、さくらんぼ、洋ナシ等 豆乳 |
2~5月 | スギ ヒノキ | トマト | |
夏 | 4~10月 | カモガヤ オオアワガエリ | キウイ メロン等 |
秋 | 7~11月 | ブタクサ | メロン スイカ等 |
検査; 血液アレルギー検査(それぞれのIgE抗体を調べます)
治療; 基本的には反応する食べ物は除去しますが、加熱すれば食べられることも多く(ジャム等)、一度ご相談ください。
また、花粉症の症状を改善すると、口腔アレルギーの症状も軽くなることがあります。
花粉症の時期は治療をしっかりとしましょう。
アナフィラキシー歴のある方は、エピペン®の携帯をおすすめします。
じんましんは、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり、24時間以内に消えてしまう痒みを伴うことが多い病気です。
食物、薬剤によるアレルギーや発汗、温熱、運動、寒冷刺激などの原因が特定できることもありますが、慢性じんましんの多くは原因が不明なことが多く、長期の治療が必要なこともあります。
治療
ストレスを回避し、抗ヒスタミン薬を内服、改善のない場合は、その他の内服薬を複数内服して治療します。
それでも難治性の場合は、ゾレア®やデュピクセント®の生物学的製剤の注射を検討します。
当院では、ハチ毒にアレルギーがあるかの血液検査が可能です。
項目:ミツバチ特異的IgE、スズメバチ 特異的IgE、アシナガバチ特異的IgE
短期間に2回刺されると、アナフィラキシー(重篤な全身のアレルギー反応)を生じやすいといわれています。林業、木材製造業の方、電気工事従事者等の屋外
でのお仕事の方で心配な方は一度検査をおすすめします。
当院では、エピペン®の処方が可能です。
エピペン®は、アナフィラキシー(重篤な全身のアレルギー反応)があらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、
ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。
当院では、食べ物や蜂刺されによるアナフィラキシーを起こしたことのある方、アレルギー反応の心配な方にはエピペン®を処方しています。
お気軽にご相談ください。
スギ花粉症、ダニによるアレルギー性鼻炎の治療のひとつに、舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)があります。スギ花粉またはダニを含んだ錠剤を1日1回、1分間舌の下に置いてから飲み込みます。
治療期間は3~5年間が推奨されています。概ね8割の方に効果があるといわれています。
※舌下免疫療法は、耳鼻咽喉科、呼吸器内科 どちらの科でも可能です。
◆治療適応の条件◆ 花粉症、鼻炎症状に加えて、スギまたはダニアレルギーの確定診断が必要。
方法:血液検査(スギ、またはダニのIgEが陽性)
・イムノキャップラピッド
(指先からの少量採血でスギ、ダニ等の8
種類のアレルギーを調べます。)
・VIEW-39(スギ、ダニを含めた吸入系、
食物系39種アレルゲンを調べます。)
・単項目測定
(吸入系抗原スギまたは、ダニのIgE抗体
の上昇が必須です。同時に他の花粉等も13
種類まで自由に調べることができます。)
◆5才から治療可能◆
◆投与ができない方◆
・妊娠、授乳中の方
・抗がん剤治療中の方
・気管支喘息が不安定な方、重症な方
・βブロッカーを内服中の方
・一部の自己免疫性疾患の方
◆開始時期について
・スギ花粉舌下錠(シダキュア®)
6月~11月下旬ごろ
スギ花粉が飛ぶ可能性がある時期は治療をはじめることができません
(事前の検査、相談はいつでも可能です)
・ダニ舌下錠(ミティキュア®)
一年中いつからでも始められます
スギ、ダニ両方の舌下免疫療法を行うことは可能ですが、同時に開始はできません。
副作用の確認が必要なため、1か月程度開始時期をずらして治療を始めます。
◆費用◆ 月3.000円程度
◆副作用◆
口の中のむくみ、腫れ、かゆみ、不快感
口唇の腫れ 喉の違和感 耳のかゆみ等
ごくまれですが、アナフィラキシー症状があるとは言われています。
(初回のみは安全のため院内で服用し、30分程度経過観察します)
◆ぜんそくに対する良い効果 他のアレルギーの発症予防の効果もあるといわれています!!◆
ダニアレルゲン陽性のぜんそくの方に対して、ダニ舌下免疫療法を行うことで、ぜんそくが軽症化することがわかっています。ぜんそくの重症度を問わず、肺機能が安定しているダニアレルギー性鼻炎の合併例では、追加治療として舌下免疫療法が推奨されています。 またダニアレルギー性鼻炎・ぜんそくの小児にダニ舌下免疫療法を行うと治療終了時(5年)、10年後のぜんそく発症が大幅に減少した報告もあります。
ほかのアレルギーなども獲得しくくなる体質になるとの報告があり、最近ではダニ、スギアレルギーを早いうちに見つけて舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)を開始することで他のアレルギーになりにくい体にしましょう、との意見もあります。
参考サイト: アレルゲン免疫療法の手引き (日本アレルギー学会)
https://www.jsaweb.jp/uploads/files/allergen_202101.pdf
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「花粉症重症化ゼロ作戦」
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